※本記事は2026年10月時点の情報です。制度・サービス内容は変更される場合があるため、最新情報は公式サイトでご確認ください。
副業の収入が増えてくると、「開業届」という言葉を目にする機会が増えます。こんな悩みはありませんか?
- 会社員の副業でも開業届は出さないといけないの?
- 開業届を出すと会社にバレたり、扶養や失業給付で損をしたりしない?
- 書き方や提出方法がよくわからず、なんとなく後回しにしている
結論から言うと、副業を「事業」として継続的に育てていくつもりで、青色申告を使いたいなら開業届は出したほうがメリットが大きいです。一方で、収入が小さく単発の副業であれば、急いで出す必要はありません。大切なのは「開業届を出せば得をする」のではなく、「事業として帳簿をつけて青色申告をするための入口」だと理解することです。
この記事でわかること
- 会社員の副業で開業届を出すべきかの判断基準
- 開業届を出すメリット(青色申告・屋号口座など)とデメリット・よくある誤解
- 開業届の書き方と提出方法(e-Tax・書面)
- 青色申告承認申請書をセットで出すべき理由と期限
- 提出後にやるべきことのチェックリスト
副業の税金全体の流れを先に押さえたい方は、副業の確定申告と20万円ルールの解説もあわせてご覧ください。
開業届とは?副業の会社員にも関係ある書類か
開業届は「個人事業を始めました」と税務署に知らせる書類
開業届の正式名称は「個人事業の開業・廃業等届出書」です。新たに事業所得や不動産所得、山林所得を生ずる事業を始めたときに、納税地を所轄する税務署へ提出する書類で、所得税法第229条に根拠があります。会社員であっても、副業で「事業」を始めた場合は提出の対象になります。
提出時期について、国税庁の現在の案内(令和8年4月1日現在の法令等)では、事業の開始等の事実があった日の属する年分の確定申告期限までに提出することとされています。以前は「開業の日から1か月以内」と案内されていたため、古い情報と混在している点に注意しましょう。ただし後述する青色申告承認申請書には別の期限があるため、実務上は早めに出しておくのが安全です。
参考:国税庁「A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続」
出さなくても罰則はないが「出さなくてよい」わけではない
開業届を提出しなかったことに対する罰則規定は設けられていません。そのため「出さなくても問題ない」と言われることがありますが、法律上は事業を始めた人に提出が求められている書類です。罰則がないことと、提出が不要であることは別物だと考えておきましょう。
開業届を出しても「事業所得」になるとは限らない
よくある誤解が「開業届を出せば副業の所得が事業所得になる」というものです。実際には、事業所得か雑所得かは、その活動が社会通念上「事業」と呼べる規模・継続性・営利性があるかで判断されます。令和4年10月の所得税基本通達の改正では、帳簿書類の保存がない場合は原則として「業務に係る雑所得」とする取扱いが示されました(収入300万円超で事業と認められる事実がある場合などを除く)。
つまり、開業届はあくまで届出であり、所得区分を決める書類ではありません。逆に言えば、帳簿をきちんとつけ、継続的に営利目的で活動していることが、事業所得として認められるための土台になります。なお「収入300万円以下なら一律で雑所得」という説明は誤りなので注意してください。
副業で開業届を出すべきかの判断基準
出すべきかどうかの早見表
開業届を出すかどうかは、副業の性質と今後の方針で判断します。目安を表にまとめました。
| 副業の状況 | 開業届の判断 | 理由 |
|---|---|---|
| 単発・不定期の作業(アンケート、たまの単発案件など) | 急がなくてよい | 事業と言える継続性が乏しく、雑所得として申告するのが一般的 |
| 月数万円規模で継続しているが、帳簿はつけていない | 方針次第で検討 | 青色申告を使うなら帳簿づけが前提。まずは記帳の習慣化から |
| 業務委託で継続的に受注し、今後も拡大したい | 出すことを推奨 | 青色申告特別控除などのメリットを受けやすい |
| 将来の独立・法人化も視野に入れている | 出すことを推奨 | 事業としての実績・帳簿を早めに積み上げられる |
| アルバイトなど雇用契約の副業のみ | 不要 | 給与所得であり、個人事業の開業には当たらない |
判断のためのセルフチェック
次の項目に多く当てはまるほど、開業届を出して青色申告に取り組む価値が高いといえます。
- 副業を1年以上継続する予定がある
- 毎月一定の売上が見込める、または取引先が複数ある
- 仕事のためにPC・ソフト・通信費など継続的な経費がかかっている
- 取引の記録(請求書・領収書)を保存し、帳簿をつける意思がある
- 屋号をつけて取引したい、事業用の口座を作りたい
- 将来は独立やマイクロ法人化も選択肢に入れている
「確定申告が必要か」とは別の問題
開業届を出すかどうかと、確定申告が必要かどうかは別の話です。給与を1か所から受け、年末調整を済ませている会社員の場合、給与以外の所得(収入から経費を引いた額)が年20万円を超えると確定申告が必要になります。20万円以下でも住民税の申告は必要です。詳しくは副業の確定申告ガイドと副業の住民税の解説で整理しています。
開業届を出すメリット
最大のメリットは青色申告ができること
開業届を出す最大の理由は、青色申告を選べるようになることです。青色申告は事業所得・不動産所得・山林所得がある人が対象で、雑所得には使えません。青色申告承認申請書を提出し、承認を受けたうえで所定の帳簿をつけると、主に次のような特典があります。
| 特典 | 内容 |
|---|---|
| 青色申告特別控除 | 複式簿記で記帳し、e-Taxで申告(または優良な電子帳簿保存)すると最大65万円。複式簿記・書面提出なら55万円、簡易な記帳なら10万円 |
| 純損失の繰越し | 事業所得が赤字になった場合、翌年以後3年間にわたって繰り越して控除できる |
| 青色事業専従者給与 | 一定の要件を満たす生計を一にする家族への給与を、届出の範囲内で必要経費にできる |
| 少額減価償却資産の特例 | 中小事業者は、一定額未満の減価償却資産を一括で必要経費にできる特例がある(要件・上限は最新の国税庁情報で確認) |
なお、令和8年度税制改正により、令和9年分から書面提出の場合の控除は10万円に、一定の電子要件を満たす場合は75万円に見直される予定です。今後は「帳簿も申告も電子で」が有利になる流れなので、最初から会計ソフトとe-Taxを前提にしておくと安心です。
屋号で口座を作りやすくなる
開業届には屋号(お店や事務所の名前)を記載する欄があります。屋号付きの銀行口座を作る際、金融機関によっては開業届の控えなど、事業を営んでいることがわかる書類の提出を求められることがあります。事業用の口座を分けておくと、売上や経費の入出金がまとまり、帳簿づけや確定申告がぐっと楽になります。屋号口座を作れるかどうか、必要書類は金融機関ごとに異なるため、事前に確認しましょう。
事業所得の赤字は給与と損益通算できる
副業の所得が事業所得として認められる場合、赤字になったときに給与所得と損益通算できます。一方、雑所得の赤字は給与所得と通算できません。ただし、ほとんど売上がない活動で経費だけを計上し、給与の税金を減らそうとするのは事業として認められない可能性が高く、税務調査で否認されるリスクもあります。損益通算は「結果としてそうなる」ものであり、狙うものではないと考えてください。
事業者としての信用・意識が高まる
開業届の控えは、屋号口座のほか、事業用のクレジットカードの申込みや、一部の補助金・融資の相談などで事業の実態を示す資料として使われることがあります。また、届出を機に「売上と経費を管理する事業者」としての意識が生まれ、記帳や経費管理の習慣がつきやすくなるのも見逃せない効果です。経費の考え方は副業の経費の解説も参考にしてください。
開業届のデメリットと注意点(よくある誤解も)
誤解1:開業届を出すと会社にバレる
開業届を提出しても、税務署から勤務先へ連絡が行くことはありません。副業が会社に知られるきっかけとして多いのは、住民税です。住民税は給与以外の所得も合算して計算され、本業の給与から天引き(特別徴収)される額に上乗せされるため、会社の担当者が気づくことがあります。
給与以外の所得(事業所得・雑所得)については、確定申告書第二表の住民税に関する欄で「自分で納付(普通徴収)」を選ぶことができます。ただし最終的な取扱いは自治体の運用によるため、心配な場合は住所地の市区町村に確認しましょう。そもそも就業規則で副業が認められているかを確認することが先決です。詳しくは会社にバレない方法の記事と副業禁止・就業規則の解説をご覧ください。
誤解2:開業届を出すと扶養から外れる
「扶養」には税金の扶養と健康保険の扶養があり、仕組みが異なります。
- 税金の扶養(配偶者控除・扶養控除など)は、開業届の有無ではなく「所得金額」で判定されます。開業届を出しただけで外れることはありません。
- 健康保険の扶養(被扶養者)は、加入している健康保険(協会けんぽ・健康保険組合など)が収入見込みなどで認定します。個人事業の収入をどう見るか(経費をどこまで差し引くか、確定申告書の提出を求めるか等)は保険者によって扱いが異なる場合があります。
会社員本人は自分が被保険者なので、通常はこの問題は関係しません。気をつけたいのは、配偶者の扶養に入っている人が副業で開業するケースです。事前に配偶者の勤務先の健康保険に基準を確認しておきましょう。
誤解3:開業届を出すと失業給付がもらえなくなる
在職中の会社員が開業届を出しても、それだけで今の雇用保険に影響することはありません。注意が必要なのは、将来会社を退職して失業給付(基本手当)を受けようとする場合です。基本手当は「就職しようとする意思と能力があるのに就職できない状態」の人のための給付で、自営業を営んでいる、または開業準備に専念している状態は、原則として受給の対象外と判断されることがあります。
退職後に事業を始める場合には、2022年7月から「離職後に事業を開始等した場合に、その期間を最大3年間受給期間に算入しない特例」も設けられています。在職中から副業を事業として続けているケースの扱いは個別判断になるため、退職を考える段階で管轄のハローワークに相談するのが確実です。退職前後の手続きは開業準備と退職手続きの記事でまとめています。
本当のデメリットは「手間」と「税負担の発生条件」
誤解を除くと、開業届そのもののデメリットは大きくありません。実際に負担となるのは次の点です。
- 青色申告を選ぶと、帳簿づけと帳簿・書類の保存(原則7年)が必要になる
- 事業所得が大きくなると、都道府県の個人事業税(法定業種で、事業主控除290万円を超える部分)がかかる場合がある
- 開業届とは別に、課税売上高やインボイス登録の有無によって消費税の申告が必要になる場合がある
いずれも「開業届を出したから」ではなく「事業の規模や選択によって」生じるものです。手間の部分は会計ソフトや記帳代行の活用で軽くできます。
小規模企業共済は個人事業主や会社役員などが対象の制度です。会社員として雇用されている人が副業で事業所得を得ている場合は、原則として加入できない点に注意しましょう(主たる事業の要件があるため)。
開業届の書き方
記入する主な項目
開業届の様式は国税庁のサイトからダウンロードできます。主な記入項目と書き方のポイントは次のとおりです。
| 項目 | 書き方のポイント |
|---|---|
| 提出先・提出日 | 納税地(通常は住所地)を所轄する税務署名と提出日 |
| 納税地 | 住所地・居所地・事業所等から選択。副業で自宅作業なら住所地が一般的 |
| 上記以外の住所地・事業所等 | 自宅以外に事務所がある場合に記入 |
| 氏名・生年月日・個人番号 | マイナンバーを記入。書面提出時は本人確認書類が必要 |
| 職業 | 「Webデザイナー」「ライター」など副業の内容がわかる名称 |
| 屋号 | 任意。決めていなければ空欄でも可 |
| 届出の区分 | 「開業」にチェック |
| 所得の種類 | 副業の事業なら「事業(農業)所得」 |
| 開業・廃業等日 | 事業を始めた日。継続的な受注を始めた日など、説明できる日付に |
| 事業の概要 | 「Webサイト制作の受託」など具体的に |
| 給与等の支払の状況 | 人を雇わないなら空欄 |
| その他の届出 | 青色申告承認申請書や消費税関係の届出を同時に出すかを記入 |
「職業」と「事業の概要」は具体的に
職業欄や事業の概要は、何で収入を得るのかがわかるように書きましょう。たとえば「Webライター」「Webサイト制作・運用サポート」「動画編集の受託」などです。複数の副業をしている場合は、主なものを中心に並べて記載して構いません。
開業日はいつにすればよい?
開業日は、事業を開始した日を記入します。副業の場合、初めて継続的な仕事を受注した日や、事業のための準備(機材購入・サイト開設など)を本格的に始めた日などが考えられます。開業日より前に支出した準備費用は「開業費」として扱える場合があります。開業日は青色申告承認申請書の期限にも影響するため、説明できる日付にしておきましょう。
開業届の提出方法(e-Tax・郵送・持参)
3つの提出方法を比較
| 方法 | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
| e-Tax | 自宅から提出でき、添付書類も不要。初めて使う場合は利用者識別番号の取得が必要 | 確定申告もe-Taxで行う予定の人 |
| 郵送 | 書面を税務署へ送付。マイナンバー記載の場合は本人確認書類の写しを同封 | 平日に税務署へ行けない人 |
| 税務署へ持参 | 窓口に提出。本人確認書類を提示 | その場で不明点を相談したい人 |
e-Taxでの提出手順
- 国税庁のe-Taxソフト、または民間の開業届作成サービス等で届出データを作成する
- マイナンバーカードなどで電子署名・送信を行う(e-Taxを初めて使う場合は利用者識別番号を取得)
- 送信後の受信通知(メッセージボックス)を確認し、データを保存する
- あわせて青色申告承認申請書も作成・送信する
e-Taxで提出した場合は、本人確認書類の提示や写しの添付が不要です。会社員の副業は平日に税務署へ行きにくいことが多いため、e-Taxはもっとも手軽な方法といえます。
控えの保存を忘れずに
2025年1月から、税務署では書面で提出された申告書等の控えへの収受日付印の押なつを行っていません。屋号口座の開設などで提出の事実を示す必要が出る場合に備え、e-Taxの受信通知や提出した書類の写しを保存しておきましょう。
青色申告承認申請書はセットで出すのが基本
期限を過ぎるとその年は白色申告になる
青色申告をするには、開業届とは別に「所得税の青色申告承認申請書」を提出する必要があります。期限は原則として青色申告をしようとする年の3月15日までで、その年の1月16日以後に新たに事業を開始した場合は、開業日から2か月以内です。
期限を過ぎると、その年は青色申告ができず白色申告になります。開業届の提出期限に余裕があっても、青色申告の申請期限は短いので、開業届と同時に出してしまうのが確実です。
参考:国税庁「No.2090 新たに事業を始めたときの届出など」
白色申告と青色申告の違い
| 比較項目 | 白色申告 | 青色申告(65万円控除の場合) |
|---|---|---|
| 事前の申請 | 不要 | 青色申告承認申請書が必要 |
| 帳簿 | 簡易な記帳と保存が必要 | 複式簿記による記帳 |
| 特別控除 | なし | 最大65万円(要件あり) |
| 赤字の繰越し | 原則不可 | 3年間繰越し可 |
| 決算書類 | 収支内訳書 | 青色申告決算書(貸借対照表を含む) |
白色申告でも記帳と帳簿の保存は義務です。「白色なら帳簿がいらない」わけではないため、どうせ記帳するなら青色申告の特典を受けたほうが合理的です。
65万円控除を受けるための条件
65万円の控除を受けるには、複式簿記で記帳し、貸借対照表と損益計算書を添付して期限内に申告することに加え、e-Taxでの申告または優良な電子帳簿保存の要件を満たす必要があります。会計ソフトを使えば複式簿記の知識が少なくても対応しやすいので、最初から導入しておくのがおすすめです。節税の全体像は個人事業主の節税の記事も参考になります。
開業届を出した後にやること
提出後のチェックリスト
開業届を出して終わりではありません。次の順番で準備を進めましょう。
- 青色申告承認申請書を期限内に提出したか確認する
- 会計ソフトを導入し、開業日からの取引を記帳する
- 事業用の銀行口座(可能なら屋号口座)とクレジットカードを用意する
- 請求書・領収書・契約書を保存するルール(紙・電子)を決める
- 家賃や通信費など、私用と兼ねる費用の按分ルールを決める
- インボイス登録が必要か、取引先の状況をふまえて検討する
- 翌年2月16日〜3月15日の確定申告に向けてスケジュールを立てる
- 確定申告書第二表の住民税の徴収方法の選択を確認する
人を雇う場合や消費税の届出
副業で人を雇って給与を支払う場合は、別途「給与支払事務所等の開設届出書」を開設から1か月以内に提出します。また、インボイス(適格請求書発行事業者)の登録をすると、売上規模にかかわらず消費税の申告が必要になります。小規模な事業者には負担を軽くする経過措置(2割特例、個人事業者は令和9・10年分に3割特例)が設けられているので、取引先がインボイスを求めるかどうかとあわせて検討しましょう。
会社のルールも改めて確認する
開業届は税務上の手続きであり、会社の副業ルールとは関係ありません。就業規則で副業が許可制・届出制になっている場合は、社内の手続きを済ませておきましょう。厚生労働省のモデル就業規則でも、労務提供上の支障や競業などがある場合に限って副業を制限できる考え方が示されています。
よくある質問
Q. 副業の収入が20万円以下でも開業届は出せますか?
出せます。開業届は所得の金額ではなく「事業を始めたかどうか」で提出するものです。ただし、収入が少なく継続性も乏しい場合は、そもそも事業所得として認められにくい点に注意しましょう。所得が20万円以下で所得税の確定申告が不要な場合でも、住民税の申告は必要です。
Q. 開業届を出したら毎年確定申告をしないといけませんか?
青色申告の承認を受けている場合、特典を受けるには確定申告が前提になります。また、事業の所得が年20万円を超えるなど申告義務がある場合は当然申告が必要です。副業をやめた場合は「個人事業の開業・廃業等届出書」で廃業の届出をし、青色申告をやめる場合は「青色申告の取りやめ届出書」も提出します。
Q. 開業届を出し忘れていました。今からでも間に合いますか?
今からでも提出できます。開業日には実際に事業を始めた日を記入します。ただし、青色申告承認申請書の期限を過ぎている年は青色申告ができないため、翌年分から青色申告をする場合はその年の3月15日までに申請書を提出しましょう。
Q. 屋号は必ず決めないといけませんか?
屋号は任意で、空欄でも問題ありません。後から決めた場合は、確定申告書に記載する方法などで対応できます。屋号付き口座を作りたい場合は、金融機関の要件を確認したうえで決めるとよいでしょう。
Q. 会社員のまま開業届を出すと、会社に連絡が行きますか?
税務署から勤務先に開業届の提出を連絡する仕組みはありません。会社が副業に気づくきっかけになりやすいのは住民税の金額です。確定申告書第二表で給与以外の所得の住民税を「自分で納付」にする選択肢がありますが、最終的な扱いは自治体に確認しましょう。
Q. アルバイトの副業でも開業届は必要ですか?
不要です。アルバイトやパートなど雇用契約で働く副業の収入は給与所得であり、個人事業の開業には当たりません。給与を2か所以上から受けている場合の確定申告のルールは、確定申告の記事で解説しています。
まとめ
副業の開業届は、出せば自動的に得をする書類ではありません。事業として帳簿をつけ、青色申告の特典を活かすための「入口」です。最後に要点を整理します。
- 開業届は事業を始めた人が税務署に出す書類。現在の国税庁案内では、開業した年分の確定申告期限までに提出
- 開業届を出しても自動的に事業所得になるわけではなく、帳簿の保存と事業の実態が重要
- 最大のメリットは青色申告(最大65万円控除・赤字の繰越しなど)。雑所得では青色申告は使えない
- 会社バレ・扶養・失業給付は誤解が多い。開業届そのものではなく住民税・保険者の基準・退職後の状況がポイント
- 青色申告承認申請書は期限が短いので、開業届とセットで提出するのが基本
- 提出後は会計ソフト、事業用口座、書類保存のルールづくりから始める
次に読みたい記事
これから副業を本格的に始める方は、副業の始め方で全体の手順を確認し、案件探しは副業エージェントのおすすめや会社員におすすめの副業一覧から始めてみてください。
本記事は一般的な制度の解説です。個別の判断は税務署・税理士にご確認ください。
